この記事でわかること

  • 筋トレを続けているのに体重が落ちない本当の理由
  • 50代男性が意識すべきPFCバランスとタンパク質の量
  • 惣菜パン2個をやめただけで体が変わった、私の実体験

毎日ジムに行っていたのに、体重は75kgだった

2025年12月末、体重計に乗るたびに75kgという数字を見ていた。

毎朝3時50分に起きて、徒歩30分でジムへ向かい、筋トレとウォーキングをこなす。そのルーティンを何年も続けている。それでも体重は変わらない。むしろじわじわと増えていた時期もあった。

「なぜだろう」とずっと思っていた。

答えは意外なところにあった。食事だった。

筋トレはしっかりやっていた。でも食事については「まあ気をつけている」程度で、何をどれだけ食べているか、ほとんど把握していなかった。そこに気づいて食事を見直し始めたのが昨年末のこと。5ヶ月ほどが経った今、体重は70kg前後まで落ちている。筋トレの内容は変えていない。変えたのは食事だけだ。


PFCバランスとは何か

食事を見直すにあたって、最初に整理したのがPFCバランスという考え方だ。

PFCとは、三大栄養素の頭文字をとったものだ。

  • P(Protein)=タンパク質
  • F(Fat)=脂質
  • C(Carbohydrate)=炭水化物

厚生労働省が示している理想的なカロリー比率は、**タンパク質13〜20%・脂質20〜30%・炭水化物50〜65%**とされている。

一見バランスよく食べていれば問題なさそうに見える。だが問題は、日本人の一般的な食事がこの「理想」とかなりずれていることだ。ごはんやパン、麺類が多い食生活では、炭水化物の比率が高くなりすぎる一方で、タンパク質が不足しがちになる。

特に筋トレをしている人、そして50代以降の人にとって、タンパク質の不足は深刻な問題になりうる。


50代が必要なタンパク質の量、知っていますか?

実際の数字を見ると、多くの人が驚く。

厚生労働省の基準では、一般的な成人男性が1日に必要なタンパク質量は60〜65gとされている。1食あたりにすると約20g。茹で鶏むね肉100g分ほどだ。

だがこれは「最低限の量」に近い。筋トレをしている場合、あるいは筋肉量の低下を防ぎたい場合は、この数字では足りない。

筋肉量が加齢とともに減少していく現象をサルコペニアという。転倒リスクや生活の質に直結するため、特に50代から意識したい問題だ。その予防のために必要とされるタンパク質量は、体重1kgあたり1.2〜1.5gと言われている。

私の場合、体重75kgだったときの計算では、1日に90〜113gが必要な計算になる。今の70kgでも84〜105gは必要だ。

さらに筋肉をつけることを目的とした筋トレ中は、体重1kgあたり2.0gが目安とする研究もある。75kg時で約150g、70kg時でも約140gだ。

一般的な食事で1日60〜65gを摂れていたとしても、筋トレをしている50代の目標値には大きく届かない。「思ったより全然足りていない」——これが多くの人の現実だと思う。

ちなみに卵1個のタンパク質は約6g、鶏むね肉100gで約20〜23g、豆腐一丁(300g)でも約20g程度だ。毎食でこれらを意識的にそろえていかないと、1日90g以上というラインには届かない。数字で考えると、食事の組み立て方が変わってくる。


惣菜パン2個が、太る昼食だった

実は、食事改善で最初にやめたのは昼食の「惣菜パン」だった。

平日の仕事中、昼食はずっと惣菜パンを2個食べていた。焼きそばパン、コロッケパン、ハンバーグパン——コンビニや売店で手軽に買えて、食べながら仕事もできる。効率がいいと思っていた。

だがこれが、体重を増やし続けた大きな原因のひとつだったと気づいた。

惣菜パンは炭水化物と脂質のかたまりだ。タンパク質はほとんど含まれていない。食べた直後は満足感があっても、血糖値が急激に上がって急降下するため、2〜3時間後にはまたお腹が減る。それで間食に手が伸び、夕食前には「もう限界」という状態になる。原因は意志の弱さではなく、食事の構成がそうさせていたのだと気づいたのだ。

コンビニ・スーパーの惣菜パンのイメージ

昼食をこう変えた

2026年1月から、惣菜パン2個をやめた。

代わりに選んだのは、レトルトご飯1パック+ゆで卵1個だ。

シンプルすぎるように見えるかもしれない。でも、これで十分だった。

惣菜パンと比べると、余分な脂質が大幅に減る。ご飯という炭水化物はあるものの、パンのような添加物や油脂は少ない。そしてゆで卵でタンパク質を補える。食べる量としては物足りなく感じるかもしれないが、実際には昼食後の空腹感が以前より落ち着いた。

体が「腹持ちのいい食事」と「血糖値を乱高下させる食事」の違いを、じわじわと感じ始めた。

ご飯と半熟卵のシンプルなランチのイメージ

タンパク質を増やしたら、空腹感が落ち着いた

タンパク質は消化に時間がかかるため、食後の満腹感が長続きしやすい。逆に炭水化物や脂質が多い食事は、血糖値が急上昇してその後急降下するため、食べてもすぐにお腹が減ってしまいやすい。

昼食を変えてから、この違いを体感として感じるようになった。午前中の空腹感が和らぎ、夕食前に「もう限界」という感覚が減った。これは意志力でどうにかした話ではなく、食べるものを変えたことで体の反応が変わっただけだ。


実際にやった食事改善、シンプルな3ステップ

難しいことを一気にやろうとすると続かない。私が実際にやったことをまとめると、驚くほどシンプルだった。

ステップ1:1日だけ現状を記録する

まず「今の食事でどれくらいタンパク質が取れているか」を把握するところから始めた。

毎日やる必要はない。1日だけでいい。食べたものをスマートフォンのメモに書き留めて、主要な食品のタンパク質量を確認してみる。多くの人が「こんなに少なかったのか」と感じるはずだ。

ステップ2:「太る昼食」を一つだけやめる

全部を変えようとしなくていい。まず「これは明らかにまずい」と思うものを一つだけやめてみる。

私の場合は惣菜パン2個だった。それをレトルトご飯+ゆで卵に替えただけで、1日の脂質と余分なカロリーが大きく変わった。小さな変化でも、毎日続ければ積み重なる。

ステップ3:不足分をプロテインで補う

食事だけで目標量を毎日クリアするのは、正直なかなか大変だ。そこでプロテインを活用している。

「プロテインはアスリートのもの」というイメージがあるかもしれないが、実態はただのタンパク質補給食品だ。私は朝食後か運動後に1杯飲む習慣をつけた。食事の内容を大きく変えなくていいので、入口として取り組みやすい。

完璧にやろうとしなくていい。まずこの3つだけ、試してみてほしい。


5ヶ月で何が変わったか

体重の数字より先に、体の変化を実感したのはベルトだった。

気がつくと、ベルトを締める穴が一つ、また一つと絞れる方向に移動していた。そして今は、もともとのベルトでは穴が足りなくなっている。お腹の出っ張りが確実に減っているということだ。体重計の数字はじわじわとしか動かないが、ベルトの穴は正直だった。

ベルトの穴のイメージ

2025年12月末に75kgだった体重は、2026年5月現在で70kg前後になっている。約5ヶ月で5kg。数字だけ見ると地味かもしれないが、毎日の動きやすさ、疲れにくさも体感としてはっきり変わった。

繰り返しになるが、筋トレの内容は変えていない。毎朝のルーティンはそのまま続けている。変えたのは食事だけだ。

タンパク質を意識して食事を変えると、体の感覚が変わる。空腹感が落ち着き、食べすぎが減り、体重が少しずつ動き始める——私の場合は、そういう順番だった。

次の目標は65〜68kg台だ。特別なことはしない。今の食事習慣を続けながら、筋トレを継続するだけだ。

50代に入っても、食事を変えれば体は応えてくれる。「筋トレしているのに変わらない」と感じているなら、一度食事の中身を見てみてほしい。答えはそこにあるかもしれない。