この記事でわかること

  • 「老後のお金」より先に考えるべき「健康資本」という視点
  • 40〜50代が今すぐ健康投資を始めるべき3つの理由
  • 完璧じゃなくていい、小さな習慣から始めるためのヒント

毎朝3時50分、まだ暗い道を歩きながら考えること

毎朝3時50分に起きて、徒歩30分でジムへ向かう。

雨の日も、眠い日も、仕事で疲れた翌朝も。このルーティンを、長年続けている。

ある日、暗い朝の道を歩きながら、ふと気づいた。

老後のお金のことは、ずっと考えてきた。でも、身体が動かなければ、お金があっても意味がないのではないか。

お金の準備はしてきた。でも、それを使いこなせる身体を、同じくらい真剣に準備してきただろうか——そう問い直したとき、「健康投資」という言葉が自分の中で急に重みを持ち始めた。


「老後のお金」の話は多いのに、「健康資本」の話が少なすぎる

書店に行けば、老後資金の本が並んでいる。NISAやiDeCo、資産運用の情報はあふれている。

でも、こんな問いかけはあまり見かけない。

「その老後、あなたの身体は動いていますか?」

資産が2,000万円あっても、寝たきりになってしまえば使いみちは限られる。認知症が進んでしまえば、旅行にも、孫との時間にも、思うように向き合えなくなる。

お金は大切だ。でも、お金を活かすための身体が先にある。

40〜50代は、この「健康資本」について真剣に考え始めるべき時期だと思っている。


40代は「静かな分岐点」だと知っておいてほしい

筋力は、何もしなければ30代後半から少しずつ低下し始め、60代以降に急激に落ちると言われている。

痛みも、目立った不調も、最初はほとんどない。だから気づきにくい。でも、気づいた頃にはかなり進んでいる——それが筋力低下の怖いところだ。

40代は、まだ間に合う時期でもある。

身体への投資も、お金の複利と同じ構造を持っている。**早く始めるほど、長く効く。**今日の10分が、10年後の自分を支える。

人生の分岐点のイメージ


私がルーティンを続けてきた理由と工夫

5人の子どもを育てながら、仕事もこなす日々の中で、トレーニングを続けるのは簡単ではなかった。

それでも続けられたのは、「完璧にやろうとしなかった」からだと思っている。

  • ジムに行けない日は公園の鉄棒で懸垂
  • 昼休みに会社近くの公園でスクワット
  • 通勤のエレベーターを階段に変える

特別なことは何もしていない。ただ、日常の中に動く時間を組み込んだだけだ。

朝型の生活にしたことで、静かに自分と向き合える時間ができた。断捨離やルーティン化で生活をシンプルにしたことで、迷う時間が減り、動くことへのハードルが下がった。

続けることで感じた変化は、劇的なものではない。でも、「疲れにくくなった」「睡眠の質が上がった」「気持ちが安定した」——そういう積み重ねが、今の自分の土台になっている。


筋トレが「老後の最強投資」である3つの理由

1. 転倒・骨折が、高齢者の人生を大きく左右する

高齢者の転倒による骨折は、寝たきりや要介護状態のきっかけになりやすい。

特に大腿骨(太ももの付け根)の骨折は深刻で、骨折後に歩行が困難になるケースも少なくない。筋力を維持することは、転倒を防ぐための最も現実的な手段の一つだ。

脚の筋肉は、命綱だ。

2. 筋トレは、脳も守る

運動が認知機能の維持に役立つとする研究が増えている。

その一つの鍵とされているのが**BDNF(脳由来神経栄養因子)**と呼ばれるたんぱく質だ。運動によってBDNFの分泌が促進されることが研究で示唆されており、これが神経細胞の成長・維持を助け、記憶力や認知機能の低下を抑える可能性があると考えられている。

筋トレは、筋肉だけでなく脳への投資でもある。

祖父と孫のイメージ

3. 「健康寿命」と「平均寿命」の間に、約10年のギャップがある

日本人の平均寿命(2023年時点)は男性約81歳、女性約87歳。

一方、健康寿命(介護を必要とせず自立して生活できる期間)は男性約72歳、女性約75歳とされている。

つまり、平均的に見ると、人生の最後の約10年は「健康でない状態」で過ごす可能性があるということだ。

この10年をどう変えるか。その答えの一つが、今からの身体への投資にある。


完璧じゃなくていい。まず、小さく始めること

「毎日やらなければ意味がない」と思うと、続かない。

私自身、雨の日は休む。体調が悪い日は休む。それでも、長い目で見れば続いている

週1回でも、10分でも、始めることに意味がある。

お金の世界では「早く始めるほど複利の恩恵を受けられる」という。身体も同じだ。今日動いた10分が、10年後の自分を少しだけ助けてくれる。

完璧な準備を待っていたら、始められない。まず、靴を履くことから始めてみてほしい。


自分の足で、最後まで歩き続けるために

人生の最後の日まで自分の足で歩きたい。

子どもや孫と、どこかへ出かけたい。好きなものを食べて、笑いたい。

そのために、今朝も暗い道を歩いてジムへ向かう。

派手な目標があるわけではない。ただ、その日常を守り続けることが、私にとっての最大の健康投資だと思っている。